最近話題の「スマートシティ」(SmartCity)とは?何が変わる?概要、事例を解説!

smartcity ITトレンドワード
記事上広告

最近テレビやニュースで「スマートシティ」という言葉を聞くことが増えてきました。IT技術を活用した未来型都市、というイメージの方が多いかと思いますが、実際に今と何が変わるのかご存知ですか?

この記事では、スマートシティの定義、そして実際の都市での事例を通して、スマートシティについて、IT初心者の方にもわかりやすく解説します。

スマートシティの定義とは?

スマートシティ(Smart City)という言葉は、2000年頃から使われていた言葉です。

国土交通省は、スマートシティを以下のように定義しています。

都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区

平成30年国土交通

簡単に言うと、スマートシティとは、「ICT」を活用して街の「全体最適」を図ることで、「効率化・課題解決」を行うこと、です。

スマートシティという単語は、もともとは地球温暖化等の環境問題や、エネルギー産業の振興に関する取り組みとして使われていました。近年は、それらにとどまらず、複数の分野に幅広く取り組む「分野横断型」のスマートシティが注目され始めています。

例えば、国土交通省が定義しているスマートシティは、下記の5つの分野の集合体とされています。

・Accessibility(交通)
・Nature(自然との共生)
・Energy(省エネルギー)
・Safety & Security(安全安心)
・Recycle(資源循環)

スマートシティを実現する技術とは?

スマートシティの定義がわかったところで、じゃあ具体的にどういう技術で実現するの?となると思います。スマートシティの根幹を占めるテクノロジーは、ICTIoTです。

ICT

ICTとは、「Information and Communication Technology」の略称で、直訳すると「情報通信技術」です。言葉の定義が広く、ITとよく混同されますが、ICTはCommunicationという単語が入っている通り、”情報の伝達”がキーワードです。メールやSNSでのコミュニケーション、ECサイトでの取引、ICTを活用したサービス、産業まで、総称してICTと言われています。

IoT

IoTとは、「Internet of Thing」の略称で、「様々な物がインターネットにつながること」です。パソコンだけでなく、センサーや家電などの各デバイスが全てインターネットにつながることで、常にリアルタイムで膨大な情報を収集することが可能となり、そのデータをもとに効率的な管理や様々な活用法が生み出されています。

有名どころだと、ハウス栽培などでセンサーで温度や湿度を感知し、最適な温度に自動で調節したり水やりをしたりすることができる「スマート農業」などは、数年前から話題になっているのでご存知の方も多いんじゃないかと思います。

スマートシティの事例

では次に、具体的なスマートシティの事例を見ていきたいと思います。

福島県会津若松市「スマートシティ会津若松」

一つ目は、福島県会津若松市です。会津若松市のスマートシティ計画は、2010年の東日本大震災の復興支援として、コンサルファームのアクセンチュアと共同で始まりました。このスマートシティ計画は、「地域経済の活性化」、「安心して快適に生活できるまちづくり」、「まちの見える化の実現」の3つを軸に推進されています。具体的な取り組みとして、「地域経済の活性化」では、近年大きな問題となっている若者の首都圏への流出という課題を解決するために、首都圏の企業のサテライトオフィスやICTオフィス「Smart City AiCT」を開設しました。また、「まちの見える化の実現」では、どこに住民が住んでいるのかを地図上に表示し、分析してバス運行路線を最適化するような取り組みや、河川や水路にセンサーを設置し、そこから収集したデータを活用するなどの取り組みが行われています。会津若松市は、こういった取り組みを通して、ICTを活用した地方創生のモデル都市となり、他の地域へ展開していくことを目指しています。

静岡県裾野市「Woven City」

二つ目は、静岡県裾野市の「Woven City」です。2020年にトヨタ自動車が静岡県裾野市にある工場跡地を利用して、実証都市「Woven City」を構築すると発表し、とても話題になりました。「Woven City」では、トヨタが主導なだけあって、やはり交通にフォーカスされています。完全自動運転でCO2排出量0のみの自動車の走行や、地下に物流専用の道を1本通すなど、新たな交通網の実現を目指しています。

また、交通だけでなく、家庭向けのロボットやセンサーによって収集したデータをAIで分析し、人々の健康状態を管理するといった取り組みも始まっています。

「Woven City」はまだ開発段階ですが、2025年にはトヨタの従業員や関係者等2000名をはじめとし、実際に人が住めるようになると計画されています。

おわりに

いかがだったでしょうか。今はまだ身の回りが全てIoTで繋がるスマートシティの想像がつかないかもしれませんが、自動運転を始めとし、実際の都市での実証実験など、着実に実現へと進んでいます。思ったよりずっと近い未来で私たちの住む町でも実現されるかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました