リモートワークが普及する中でよく話題になる「VPN」接続ですが、実際どんな接続形式かご存知でしょうか?
この記事で、「なんかインターネットより安全な接続方法でしょ」レベルの知識から、「どんな仕組みで、なぜ必要なのか?」まで解説できるようになりましょう。
VPN接続とは?
VPN接続とは、「Virtual Private Network」の略で、直訳すると「仮想専用線」になります。
インターネット上に仮想的なプライベートな専用線を設定することで、安全に通信を行うことができる技術です。
スマホが普及し私たちは日々当たり前にインターネットを利用していますが、そんな誰でも接続できる通信経路上で企業の重要な情報などをやり取りするのは非常に危険です。
そのため、企業の拠点間接続などは基本このVPN接続でセキュリティを担保しています。
VPN接続の仕組み
VPN接続は「トンネリング」と「暗号化」技術によって実現しています。
「トンネリング」とは、文字通りデータの送信者と受信者の間に仮想のトンネルを設け、外から入れなくする技術で、「暗号化」は、データの盗み見等を防ぐために鍵をかける技術です。
「トンネリング」でデータの通る道を守り、「暗号化」でそこを通るデータの中身を守る、というイメージですね。
仕組みが分かったところでじゃあどうやったらVPN接続できるの?と思うかと思いますが、実際に企業がVPNを引こうと思ったら、接続したい拠点に専用のルーターを設置し、相互通信を行う必要があります。
VPN接続の種類
①インターネットVPN
一つ目が、インターネットVPNです。インターネットVPNは、既存のインターネット回線を活用したVPN接続です。インターネットに接続できれば利用できるので、追加で回線の契約をしなくても、低コストで構築できます。ただし、デメリットとしては、通信速度や通信品質が利用しているインターネット環境に左右されること、②IP-VPNに比べ、通信途中でのデータ盗聴や改ざんのリスクがあることも挙げられます。
②IP-VPN
二つ目が、IP-VPNです。IP-VPNは、通信事業会社の閉域網を利用するVPN接続です。通信事業者と契約者のみが利用できる閉ざされたネットワークであるため、セキュアで安定した通信が可能です。デメリットとしては、新たに回線契約が必要で、①インターネットVPNに比べて高コストになります。
なぜVPN接続が必要なのか?
VPN接続の概要、種類がわかったところで、ではなぜVPN接続が必要なのでしょうか。
一言で言うと、低コストでセキュリティを担保するためです。
VPN接続の主な用途は、「拠点間接続」と「リモートアクセス接続」です。
拠点間接続の場合、従来は専用回線の敷設が必要でした。しかし、専用回線は速度も安定的で可用性も高いですが、高コストでした。
それに対して、VPNは物理的に回線を敷設をする必要がなく、低コストで利用することが可能です。
次にリモートアクセスについてです。企業のクラウド移行や働き方改革が進み、自宅のインターネット環境やカフェ等の公衆Wi-Fiで仕事をすることが増えてきました。しかし、インターネット接続は、盗聴や改ざんのリスクが高く、企業にとっては情報漏洩等の危険があります。
それに対して、VPNは、仮想の専用回線を通じて通信内容を暗号化することが可能なため、自宅や公衆インターネットからでも安心して業務をすることができるようになります。
おわりに
いかがだったでしょうか。
普段いち生活者として生活していると、VPN接続はあまり馴染みがないかもしれませんが、企業のネットワーク環境を支える重要な技術だということがわかっていただけたかと思います。
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