VDI（仮想デスクトップ）とは、デスクトップを仮想化し、サーバ上で稼働させる仕組みのことで、多くの企業のリモートワークを支えている仕組みになります。
この記事では、VDI（仮想デスクトップ）の仕組み、メリットデメリット、そして似た意味の用語であるDaaSとの違いについて、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
VDI（仮想デスクトップ）とは？
VDIとは、「Virtual Desktop Infrastructure」の略称で、デスクトップを仮想化し、サーバ上で稼働させる仕組みのことです。といっても、「デスクトップ仮想化ってどういうこと。。？」となる方も多いかと思うので、例を挙げて説明します。
例えば、パソコンでパワーポイントの資料を編集するとします。
通常のパソコンの場合、まずはパソコンにパワーポイントのアプリケーションをインストールし、デスクトップ上で編集し、パソコンにデータを保存すると思います。これがVDIの場合、ユーザーの見え方としては通常と大差ないのですが、パソコンの端末自体にはアプリケーションはインストールせず、すべてサーバー上の仮想デスクトップで作業が実行され、端末にはその結果が転送されるという動きをするのです。
よってこのVDIを利用する場合は、端末にはアプリケーションやデータなどは何も残らないのが特徴です。
VDI（仮想デスクトップ）とDaaSとの違いとは？
DaaSとは、「Desktop as a Service」の略称で、デスクトップをサービスとして提供するクラウドの提供形態のことです。端末に何も残らないという点ではVDIもDaaSも同じなのですが、違いは「仮想デスクトップがあるのが自社サーバー上かクラウド上か」ということです。
VDIは自社サーバー上で仮想デスクトップを運用するのに対し、DaaSはクラウド事業者のサーバー上に仮想デスクトップがあり、OSのバージョンアップやパッチ適用といった運用も基本クラウド事業者側が行います。VDIとDaaSどちらを選ぶのかは、どの程度のカスタマイズ性が必要かとコストを天秤にかけて決める必要があります。
DaaSについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、是非合わせて読んでみてください。
VDI（仮想デスクトップ）のメリットとは？
①セキュリティレベルの向上
一つ目が、セキュリティレベルの向上です。端末に何も残らないので、外部からウイルスに侵入されたり端末を紛失した際の被害を最小限に抑えることができます。
さらに、サーバー上でアプリケーションを管理するので、業務に関係のないアプリケーションのインストールの心配がないのに加え、サーバー側で一元管理できるので、パッチの適用やOSのアップデートをし忘れるといったこともありません。
このVDIは、重要な顧客情報を扱う金融業界や自治体では、そのセキュリティレベルを評価され、特に利用されています。
②コスト削減
二つ目が、コスト削減です。社員すべてのデスクトップ環境をサーバー上で一元管理するため、アップデートやメンテナンスも一気にすることができ、管理コストを削減することが可能です。また、パソコン上では基本処理は行わないため、高機能のパソコンでなくてもOKな分機器コストも下がります。
③リモートワークが可能
三つ目が、リモートワークが可能になることです。VDIであれば、異なる機器からアクセスしても常に同じ仮想デスクトップ上で作業ができるので、自宅や外出先など、場所、端末に縛られずリモートワークをすることが可能になります。上述の通り、リモートワークが普及し端末を持ち帰るようなことがあっても、紛失時のリスクが低くセキュリティレベルも維持できるのもリモートワークを進めやすくなるポイントです。
VDI（仮想デスクトップ）のデメリットとは？
①サーバー側に多大なコストがかかる
一つ目が、サーバー側に多大なコストがかかることです。全社員のデスクトップ環境をサーバー上で実行するので、当然サーバー側はそれ相応のスペックを備えておかなければなりません。ただその分ユーザー側の端末は低スペックでもOKになるので、結局はどちらにお金をかけるかという判断になります。
②インターネット環境に左右される
二つ目が、インターネット環境に左右されることです。例えばファイルを一つ開こうと思ってもサーバーと接続しなければならないので、サーバーに繋ぎに行くまでのインターネット環境が悪いと処理に時間がかかります。
おわりに
いかがだったでしょうか。VDIは、働き方改革を推進するにあたり、リモートワークを可能にするソリューションとして近年注目されいます。仕組み、メリットデメリットをしっかり理解しておきましょう。
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