IP電話とは、インターネットを介して通話ができる電話サービスのことです。
その料金の安さから、近年従来のオフィスの固定電話からIP電話に移行する企業も増えています。
この記事では、IP電話の仕組み、従来の固定電話との違い、メリットデメリットなどについて、IT初心者の方にもわかりやすく解説します。
IP電話とは？
IP電話とは、インターネットプロトコル（Internet Protocol）という通信方式を利用して通話を行う電話のことです。電話から流れる音声をデジタル化して送り、相手先で音声に戻して届けることで、利用者側は従来の電話のように利用することができます。
近頃は飲食店の電話番号や会社携帯用の電話番号などにも使われており、固定電話と並んでメジャーなサービスとなりつつあります。
固定電話との違いは？
従来の固定電話は、仕組み的には糸電話の発展系のようなものです。電話をかけると電話交換機に相手の電話番号を伝え、そこから各地の基地局を経由して相手の電話まで銅線を通じて音声を届けます。
そのため、相手が遠いところにいればいるほど経由する基地局が増えて音質が悪くなったり料金が高くなったりすることが特徴です。
IP電話の種類とは？
IP電話の品質は、総務省によって品質から3つのランクが定められています。このクラスの概念も踏まえてこれからIP電話の種類を説明していきます。
クラスA：固定電話並み
クラスB：携帯電話並み
クラスC：通話は可能
①050IP電話
一つ目が、050IP電話です。名の通り、電話番号の最初3桁が050から始まる番号で、「050」-「事業者番号」-「利用者番号」という内訳になります。よって、通信事業者（プロバイダ）を変えると電話番号が変わります。050電話は先ほどのクラスでいうとクラスC（通話は可能）になるため、金融機関の顧客問い合わせ窓口など、品質がとても重視されるような場面では採用されないこともあります。
②0ABJ番号
二つ目が、0ABJ番号です。例えば東京なら最初が「03」など、市外局番から始まる番号で、NTTのひかり電話などはこの0ABJ番号になります。
0ABJ番号は、先ほどのクラスでいうとクラスAにあたり、IP電話の中では品質が良いことが特徴です。
③通話アプリ
三つ目が、通話アプリです。これまでの2つとは少し毛色が違いますが「LINE電話」や「Skype」がこの通話アプリに該当します。
通話アプリでは、VoIP（Voice over IP）という技術を用いたデータ通信によって音声を届けます。特に普段からLINE電話を使っている方はわかると思いますが、こう言った通話アプリでの通話には電話番号はいらないのが特徴です。
IP電話のメリットは？
まずIP電話共通のメリットは、運用が楽なことです。従来の固定電話だと電話加入権というものを購入するなど手続きが煩雑ですが、IP電話であれば簡単に番号の追加、削除が可能です。
次に、IP電話の種類ごとに解説します。
①050番号
050番号は、何と言っても料金が安いことが一番のメリットです。基本料が固定電話だと月数千円かかるのが050番号だと数百円だったり、プロバイダによっては無料になります。また、プロバイダによリますが、大抵は050番号同士の通話は全て無料になります。この料金の安さから、全国に拠点がある企業の電話などに採用され大幅なコストカットを実現しています。
②0ABJ番号
0ABJ番号のメリットは、一番は品質の高さです。クラスAで固定電話とほぼ変わらない品質で通話が可能なため、クレーム処理を行う窓口など、品質の高さが求められる場合に重宝されています。
あとは、「110」や「119」などの緊急通話が可能なこともメリットです。050番号だと緊急通話はできません。
IP電話のデメリットとは？
まずIP電話共通のデメリットは、停電すると利用できなくなることです。IP電話は通話されるためにインターネット接続が必要なので、停電してしまうと通話もできなくなってしまいます。
次に、IP電話の種類ごとに解説します。
①050番号
050番号のメリットは、まずは固定電話や0ABJ番号と比べて品質が悪いことです。電車や車で移動している時などはインターネット接続がしづらくなりその分通話が途切れたりすることがあります。
また、先ほども書いた通り050番号だと「110」「119」などの緊急通話ができないのもデメリットです。
②0ABJ番号
0ABJ番号のデメリットは、050番号と比べるとコストが高いことです。ただ、その分品質は050番号よりいいのでトレードオフで、用途によって使い分ける必要があります。
おわりに
いかがだったでしょうか。IP電話は近年私たちの生活の中でも当たり前に使われるようになりつつあるサービスです。仕組み、違いをしっかり理解しておきましょう。
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