リンクアグリゲーション(LAG、LACP)とは?仕組み、メリットを初心者にもわかりやすく解説!

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リンクアグリゲーションとは、複数の回線を束ねて1つの論理回線として扱う機能のことです。

このリンクアグリゲーションは、企業ネットワークの冗長化、高速化において大きな役割を担っているのですが、論理的にまとめる、というのもわかりづらく、あまり仕組みを理解していない方も多いんじゃないかと思います。

そこで、この記事では、リンクアグリゲーションについて、仕組み、メリットを初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

リンクアグリゲーション(LAG)とは?

リンクアグリケーション(Link Aggregation)とは、直訳すると「回線(=Link)を集約する(=Aggregation)」になりますが、その名の通り、複数の回線を束ねて1つの論理回線として扱う機能のことです。複数回線を仮想的に1つの回線として扱うことで、コンピュータの通信速度を向上させることができます。このリンクアグリケーションは、主に複数スイッチ間の冗長接続に用いられます。

論理的にってどういうこと?」と思われる方も多いと思いますが、論理回線とは「複数の回線の上に大きなカバーを被せて一つの回線として管理する」ようなイメージを持って貰えばいいかと思います。

少し難しいので、例を用いて解説します。

例えば、2つのスイッチ間でリンクアグリケーションを利用せず、2つのポートに2つのケーブル(1Gbps×2)が刺さっていたとします。その場合、スパニングツリープロトコル(STP)を用いてブロッキングポートを作らないと、ループ障害(ルータAからルータBに永遠にパケットが回り続けてしまう状態)が発生してしまいます。このスパニングツリープロトコル(STP)については、別の記事で詳しく解説しているので、是非合わせて読んでみてください。

このループ障害を防止するためにSTPを利用すると、1つポートがブロックされるので、一方向あたりの実行速度は1Gbpsになります。

しかし、リンクアグリゲーションを用いて2つのケーブルを1つの論理回線とみなすことで、ループ障害を起こすことなく、2Gbpsの速度で通信を行うことが可能になります。

先ほどのリンクアグリゲーションによってコンピュータの速度が向上するというのは、こういうカラクリなのです。

リンクアグリゲーション(LAG)の仕組みとは?

次に、リンクアグリケーションの仕組みについて、もう少し具体的に説明していきたいと思います。

複数回線を一つにまとめると言っても、物理的に2つのケーブルを紐でまとめて1つのケーブルに、、、というわけではもちろんありません。

実際にリンクアグリゲーション機能を利用する場合は、各スイッチポートでリンクアグリケーションの設定をONにすることで、論理的に回線をまとめます。

LACP (Link Aggregation Control Protocol)とは?

LACP (Link Aggregation Control Protocol)とは、リンクアグリゲーションを利用するためのプロトコルです。LACPはIEEE 802.3adで定義されています。リンクアグリゲーションを利用する場合、両方のスイッチがこのLACPをサポートしている必要があります。

リンクアグリゲーション(LAG)のメリットとは?

①冗長性の確保

一つ目が、冗長性の確保です。冗長性とは、耐障害性を高めるために、設備をを二重化することです。リンクアグリケーションを用いれば、1つのケーブルが故障した場合も、同じ論理回線内の別のケーブルで通信を継続することができます

②トラフィック分散による通信の効率化

二つ目が、トラフィック分散による効率化です。1つの論理回線の中で複数の回線にトラフィックを割り振ることができるので、1回線あたりのトラフィックが減少し、通信を高速化することができます。

③通信の高速化

三つ目が、通信の高速化です。前半にも少し説明しましたが、物理回線を複数まとめて1つの論理回線として扱うので、物理回線分の帯域を確保でき、通信を高速化することができます。

⓸コスト削減

四つ目が、コスト削減です。③で説明した通り、複数回線をまとめることでその分の帯域を使用できるため、帯域拡張の際の機器購入コストを抑えることができます。と言っても、リンクアグリゲーションは大抵最大8回線までしか束ねられないので、機器を購入せず無限に帯域拡張できるというわけではありません。

おわりに

いかがだったでしょうか。リンクアグリゲーションは普段あまり認識する機会はないですが、企業ネットワークにおいては一般的な機能となります。しっかり仕組み、メリットを理解しておきましょう。

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