IT環境の進化に伴い、企業のシステムのクラウド移行はどんどん盛んになってきています。
クラウド化によって働き方改革等の様々な恩恵を受ける一方で、懸念されるのがセキュリティ対策です。
そんなニーズに伴い最近話題になっているセキュリティソリューションが、CSPMです。
この記事で、「なんかセキュリティ系の用語だよね」レベルの知識から、その定義、そして「なぜ今必要なのか」まで、バッチリ解説できるようになりましょう。
CSPMとは?
CSPMとは、「Cloud Security Posture Management」の略で、直訳するとクラウドセキュリティ態勢管理です。
クラウドサービスを利用する際の、設定ミスによる情報漏洩などのインシデントを防ぐためのセキュリティ管理システムのことを指します。
具体的には、例えばアカウント、ネットワークおよびストレージ構成などの設定、暗号化設定といった状態を自動で分析し、その設定が望ましくない場合、修復まですることが可能です。
CSPMの特徴
CSPMの基本的な定義はわかっていただけたかと思いますが、では具体的にはどんな特徴があるのでしょうか?
①マルチクラウドを一元管理
一つ目の特徴は、マルチクラウドを一元管理できることです。通常クラウドの設定管理はそれぞれのクラウドごとに管理画面が存在しており、そのUIや設定方法も様々です。
しかし、CSPMなら、複数のクラウドサービス事業者をサポートしており、API連携により一つの管理画面から複数のクラウド環境を一元管理することが可能です。
②チェックルールに基づく継続的な設定確認
二つ目の特徴は、チェックルールによる継続的な設定確認です。チェックルールとは、具体的には、ベンダーが定めた既存のチェックルールの他に、企業独自のカスタムルールを設定することが可能です。
そのようなルールに基づき、クラウドの設定を自動で継続的にチェックし、評価することができます。
③違反検出、アラート通知
三つ目の特徴は、違反検出、アラート通知です。②で違反を検出した場合、管理者にアラートで通知します。これにより、故意・過失に関わらず、ルールに反した設定をすぐに発見し、対処に動くことが可能です。
また、「誰が・いつ・どのように」その設定変更を行ったかも確認したり、違反検出後の修正まで自動で行ってくれるものもあります。
なぜ今CSPMが必要なのか?
ではなぜ今CSPMが必要と言われているのでしょうか?
一言で言うと、「マルチクラウド化」によるものです。
企業のシステムのクラウド移行が進むと同時に、クラウドに対するセキュリティインシデントのリスクも高まっています。そして、そのインシデントのほとんどの原因は、実は設定ミスによるものなのです。
しかし、複数のクラウド環境の設定の確認を全て人が手作業で行うのはとても手間がかかり、知識も必要です。セキュリティ人材が不足している現代においては、ほとんどの企業にとっては無理でしょう。
だからこそCSPMが必要になってくるのです。
おわりに
いかがだったでしょうか。
設定ミスの防止のためだけにわざわざ対策しなくても…と思った人もいるかもしれませんが、先ほども書いた通り、クラウド周りのインシデントの原因のほとんどは設定ミスによるものです。
クラウド化が進む現代においては、今後さらに重要視されていくこと間違いなしのソリューションです。
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